日本が未だ未だ物が不十分であった昭和30年代に思春期にあった私の関心を引いたものの一つにレコードがありました。父や兄たちのおかげで、たくさんの『SPレコード』があって、主導権のない私は兄たちがかけるレコード曲をチョコンと座って一緒に聴いておりました。6男である私は、趣向の幾分異なる5人の兄たちのそれぞれの好みの曲を繰り返し、聴いていた訳です。
ジャンル別にしますと、ハワイアン、カントリーウェスタン、ラテンミュージック、カリブ音楽、シャンソン、カンツォーネ、スタンダードジャズ、映画音楽、ダンスミュージック、そして 姉たちが好んで聴いていたクラシック、賛美歌、歌謡曲と、殆ど全てといっていい程のいろんな曲を、めまぐるしくも感動的で新鮮な感覚を次から次へと堆積させられていたのです。
私が中学生から高校生にかけての昭和34年から昭和37年頃、自分の小遣い銭で買える『EPレコード』を懐具合と相談してして、一枚ずつ買いあさっておりました。
デルシャノンの『悲しき街角』を皮切りに、カスケーズ、コニー・フランシス、パティページ、ヘレンシャピロ、ポールアンカ、ニールセダカ、パットブーン・・・それに加えて、マヒナスターズ、永 六輔、中村八大、坂本 九のいわゆる『六八九コンビ』等々であります。
これら『SPレコード』や『EPレコード』を大手家電メーカーが出し始めたオーディオカセットレコーダーを購入し、オーディオテープにダビング収録し、今でも時々 引っぱり出して、懐かしく聴き入っております。