今 振り返ると、少年時代から青年時代に観た映画から受けたことが基因しての今の「私のウクレレ人生」に至るまでの潜在的、間接的影響も大きいと感じます。
片岡千恵蔵、市川右太衛門、嵐 寛十郎、月形龍之介らによる かつての日本時代劇映画は、トーキー直後でもあり、台詞の言い回しやバックに流れる音楽などの「声音」、そして、勧善懲悪やハッピーエンドの決まりパターンを知りつつも、映画ストーリーに入り込んでいる自分がいました。
そこから12音階にない陽音階や陰音階とか、マイナー(短調)サウンドの抵抗感なき必然性を感じ、ひいては歌謡曲や演歌をしみじみ歌ったり、聞き入ったりしているのだと思います。
一方、ジョン・ウェインやゲーリー・クーパー、リチャード・ウィッドマーク、ジェイムス・スチュアートらのアメリカ西部劇映画は敗戦感と羨望感の交錯した感情と新鮮で発達した異文化の源流をたどる感覚を含めた気持ちで、映画館に通ったことを思い出します。
そこからはイージーなスリーコードながら、それ故の独特なカントリーウェスタンのハーモニー・コーラスや失恋の歌詞であっても、アップテンポでさりげなく聴き手にアピールしてしまうという、中学生までは体験し得なかった歌唱法であり、演奏スタイルがあったのです。